はるのあした

涵之如海 養之如春

二わになったにわとり

わたしの家では、にわとりをかっています。お父さんは、よろこんでます。どうしてかというと、
「いなかにいる気がしていいからだよ」
というわけがあるからです。お父さんの生まれたところは、新がた県の農家です。にわとりの名前は、チャコといいます。チャコはチャボににてふっくら太っています。それで、お母さんは、チャコを見ながら、
「もう鳥肉に見えちゃうよ。うん、本当に」
なんて言います。
ある日、学校から帰って来ると、家の要すがへんでした。いつもなら、門まで来ればピーピーというチャコの声がするのに、シーンとしているのです。わたしは、ランドセルをしょったまま、おばあちゃんの所にとんでいきました。
そして、
「ねえ、ねえ、おばあちゃん、チャコ、どこ行ったのよ。ねえ。」
と言って、おばあちゃんのかたをゆさぶりました。すると、
「そんな、おばあちゃんだって知りませんよ。」
と答えました。しかたなく、自分でさがすことにしました。でも、いくらさがしてもいません。仕事から帰ってきたお母さんに、さっそくそのことを話しました。お母さんは、そっけなく、
「いなくなったんでしょ。一日待ってみましょうよ。」
と言いました。一日経っても見つからないのでめすのにわとりを買いました。名前は、チャコと一字ちがいのチャヨにしました。
それから、何日かすぎたある日、
「うちのねこが、このにわとりをくわえてきたんです。けががなおったのでつれて来たんです。ごめんなさいね。」
と言って、きんじょのおばさんが、チャコをだいてきました。わたしは、元気なチャコを見てお母さんに食べられたりしなくてよかったなと思いました。




小学校三年生の時、とある作文文集に掲載された作文です。今読むと子どもなりに動物のこと、親やまわりの大人のことを見ていて、まわりからちょっと一歩引いた感じの文章だなという印象です。


小学校の頃の私は、大人に阿った純粋さとか、感動が求められる読書感想文が苦手、夏休みの自由研究が好き、金魚やメダカ、にわとり、うさぎを育てるのが好き、というわりとどこにでもいる典型的な理系寄りの子どもでした。チャコが帰ってきた日のことは今でもよく覚えていて、ある日、近所のおばさんがエプロンのなかにチャコを抱いてエプロンごとくるんで現れました。おばさんがエプロンをぺろんと広げると、中からチャコがばたばたと羽を広げ飛び出してきたことは、とてもよく覚えています。


大人になってみると、猫が鳥をくわえて飼い主に見せる時点でそれ一回死にかけてない?代わりのとすりかえた?とか思わなくもないですが、真実は闇の中です。

寝かしつけに関する本

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

今まで、本人の眠気にまかせていて、あまり睡眠サイクルを意識したことがなかったのですが、生後3ヶ月を過ぎ、そろそろまずいかなと思い買った本です。もとから赤ちゃんを観察していると、ずいぶん眠りが浅い生き物だなと思ってましたが、この本にも赤ちゃんは大人よりもレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが短く、また眠りがほんとに浅い、と書かれています。今のとこ自分の子は生後3ヶ月で、このくらいだと「夜に起き出して泣くが、授乳やオムツなどの原因がない」夜泣きがまだ始まってないので、この本の夜泣きへの効果はまだちょっとわかりません。ところで、この本読むと夜泣きって日本特有の現象だそうですが、ほんとですか。とりあえず、この本に書いてあることで役だったことを書きます。


(1)夜7時~8時には寝かせる
日本の子どもは寝るのが世界の他の国と比較してもだいぶ遅いほうだとか。この本では、夜8時には寝る習慣をつけるよう書かれています。また子どもを寝かしつける時は、寝る前の30分間のイチャイチャタイム、ようは添い寝と、その日にあった出来事、子どものがんばったこと、良かったことを誉める、子どもの精神状態をリラックスさせる時間を設けることをおすすめしています。


(2)寝かしつける時は暗くする、夜の授乳も暗いところで済ませる
日本の家の照明は明るい。なんでか明るい。ここは半導体工場か、発電所かってぐらい明るい*1。対して、アメリカの家は暗い。マジで暗い。その暗さだけでセロトニンがでて、それで夜眠くなるぐらいに暗い。自分がストレスで不眠症気味になった時、とにかく管理したのが照明の明るさです。蛍光灯は使わずに、できるだけ夜の照明は暗めに。夜の授乳も、できるだけ暗いところで。


(3)自分にとってしんどい、面倒くさい寝かしつけ方をしない
これ大切、マジで大切です。自分の子どもの場合、ギャン泣きがひどいと子どもを横抱きにしながらひたすら揺らすこと1時間、とかやると寝ることがありました。が、体重が6キログラムを越えた子どもを横抱きにして、延々揺らすとか、つかれます。マジでしんどいです。これが習慣になるともっと悲惨で、、まず、赤ちゃんというのは「眠くてだるいのでぼくを寝かしつけて」という用事で泣き出す生き物です。つまり、誰かに寝かしてつけてもらわないと自力ではなかなかうまく寝れない。てことは、しんどいやり方でいつも寝かせていると、その方法以外で寝なくなってしまう。いったんある寝かしつけで慣れてしまって、その後ちょっと違うやり方にしようとすると、「違うのそれじゃないの、もっと気持ちよくしていつものやつ」と更に泣く。ギャー。ということで、コレは結構大切です。>ちなみにこの本には、寝かしつけ方を変える時の注意点、アドバイスも書かれています


で、この本を踏まえて、うちの場合は、子どもの機嫌にもよりますけど、寝る前のいつも10分から30分ぐらい、暗い寝室で添い寝をしています。子どもに添い寝か抱っこしたまま寝転んで、子どもの好きなタオルをお腹にかけてちょっと添い乳*2、あとはその日にあった出来事を振り返って話しかけてみる、ゆったり子どものまぶたが落ちるのを待つようにしてみました。その結果、「こういうルーチンで寝る」という習慣が本人についてきたようで、また寝かしつける親もそのルーチンに沿って作業すればよい、と割りきれる分、だいぶ楽になりました。夜の授乳も、照明をつけずに暗いところで済ませる。本人が寝ぼけたまま、暗いところですすっとミルクを飲ませて、げっぷして添い寝、即寝落ち。うん、授乳のあと1時間も起きていた新生児の頃と比べると、月齢が進んでることもありますが、だいぶ楽になりました。


詳しくは本書でどうぞ。個人的にはわりと読みやすく、楽をできるところは楽をして余裕をもって育児をしましょう、という考え方のとこも気に入りました。

*1:24時間稼働する工場は、働く人が眠くならないように照明を煌々と照らすのです

*2:これも良し悪しみたいですが

子どもも泣きたい時があるけど親も泣きたい時がある

http://konozama.jp/amazon_devil/2012/07/post-267.html

まだ親として、3ヶ月しか我が子と関わってませんが、子どもってのはとにかくほんとによく泣くものです。この記事にある子どもが泣いてるのは、多分はてぶの指摘にもあったように、母親に全力で甘えている証拠だと思います。うちの子も毎日いろんな理由で泣きますが、わずか生後3ヶ月でもこの記事にあるような「眠くて疲れたのでなんとかして」という泣き方があります。親がどんなに疲れていようが、とにかく自分の都合で泣いて親を呼ぶのが子どもです。


エントリにある子どもは電車に乗ったり、外に連れ出せるぐらいだから、その子が生まれてからずっと、お母さんはさんざんいろんなことで泣く子どもとつきあってきているとおもうし、その子のことは、お母さんが一番よくわかってるんじゃないかなあ、そこは自分も自信を持っていきたい。


子どもが泣くのは子どもがいると「よくある日常」の一つなんですが、電車の中はいろんな人のいろんな日常がごった混ぜになってるんで、「みっともない」と捉える人も乗ってくるし、その人にとっては子ども自体が非日常だろうし。その視線がささると辛いよなあと。


とかいろいろ思いますが、実際自分が親になってみると、親も人間なのでやっぱり子育てで疲れている時、余裕が無い時はあります。そもそも「親」ってのは案外パーフェクトな存在ではないし、自分が子どもだったときを振り返ると、自分の親もけっして常に100%パーフェクトなものではなかった(尊敬はしていますが)。


子どもも人間だし、親も人間で、それぞれ個性を持っているから、お互いいつも相性があっていて、わかりあっていて、母親が子どものすべてを分かっているわけではない。どんなに母親が思いはかって、色々尽くしても子どものギャン泣きは止まらない時はなかなか止まらない、そんなもんだろーなー、と子どもを抱っこしすぎて両腕腱鞘炎、右膝にバンテリン、産後のゆるんでずれた骨盤を接骨院で治療しつつ思います。


自分も親と名乗ってはいますが、所詮子どもの年齢分だけしか親の経験が無いので、そりゃ至らないこと、人間としてたった30数年しか生きてないので、そもそも未熟なところは自分自身、多々あります。だけど人間は、人間として人格が(多少なりともまともに)成熟する頃には生殖機能を失っているので、未熟なら未熟なりに、子どもができたら育てるしかない。


いやだからって人間として未熟だから居直って子どもギャン泣きを放置してもよい、世間の迷惑をかけてもいいってことじゃないですよ。経験が浅いなりに、未熟なりに、世間の迷惑にならないように、あるいは子どもが嫌がっていることを取り除くように、子どもが笑ってくれるように、毎回子どものギャン泣きを素早く止めているわけではないけど、できるだけ子どもの不快をしずめるように最善はつくすんですよ、当然。そういうものかなと。

赤ちゃんにも泣きたい時があります

タイトルはお世話になった産院の助産師さんの言葉。退院間もない頃、子どものギャン泣きが1時間ぐらい延々続いたことがありました。今から思えば、ギャン泣き1時間って結構よくあることなんですが。その頃は自分も初めてのことばかりでわけもわからず、産後で精神的に不安定だったのもあると思いますが、どうにも辛くなり、電話で産院に相談した時に、この言葉を言われました。これを言われた時は目から鱗でした。そう、赤ちゃんってよく泣くんですよ。泣くのが仕事、とかよく育児書では言いますけど、親も人間なので、あんまりにもギャン泣きが酷いと、年がら年中毎日子どもにいい顔できているわけじゃなくて、やっぱりイライラすることはあります。だいたい親が機嫌悪い時にギャン泣きされるとなかなかあやすのも抱っこするのもうまくいかなくて、なかなか泣き止まらない。悪循環。

色々助産師さん、市の保健師さんの話を総合すると、赤ちゃんが泣くのは、お腹が空いた、おむつが濡れた、眠い、とか色々ですけど、赤ちゃんは自分の思い通りに体も動かせない、自分の不快な状態を快適な状態にしたくてもできないので泣く、んだそうです。
それがだんだんおしゃぶりをするようになると、おしゃぶりでごまかすというか、我慢する、しょうがない、と自分の思い通りにならないイライラに自分で対処できるようになってくる、のだそうです*1。そこからだんだん月齢がすすんで、体の神経ネットワークが発達して体が動かせるようになってくると、本人が自分でできることも増えて、イライラが減ってくるはず。そのはず。たぶん。

*1:大人が爪噛むとか貧乏ゆすりするようなもんですね

育児の醍醐味

育児のしんどさって、一言では言い尽くせないんだけど、たとえば、24時間いつでも、子どもの都合で泣き声で呼ばれ、子どもが喋れない頃は顔と泣き声から次のアクションを考えて、子どもの不快を快のほうにひたすら倒してく作業に時間と自分の体力と精神力を費やされる、ってとこでしょうか。

とくに男の子のギャン泣きって泣き叫ぶだけじゃなくて暴れるので、それを無理やり抱っこして押さえつけないと頭から落っこちそうになるし。危ないですよほんとに。おっぱい飲んだ後、自分で首ごとしゅぱーんと引き抜いたりするし。男の子はおむつも手早く交換しないと、射出口がせり上がってきてびゅっと放物線描いておしっこが飛び出しますし。メリーって一人遊びに集中してくれるのでとてもいいおもちゃですけど、遊びすぎて疲れるどころか、興奮して叫ぶ、メリーのぬいぐるみをパンチする、布団からずり落ちる、変なとこにひっかかってむしろ泣く、とか。最近赤ちゃん向けのうきわの事故が報道されましたけど、あれも実際に使って見てると結構危なっかしくて、とてもとても目を離せない。…などなど。そういう経験を通して、男の子が肝っ玉母さんを育ててるんじゃないかと思うぐらい。

さらに、自分が疲れてくるのは良くなくて、精神的に良い状態で接してるほうがもちろん子どもの機嫌はいいし、夜中に粉ミルクこぼしただの哺乳瓶のキャップからミルク駄々漏れ赤ちゃんミルクまみれ、寝ぼけておむつの向きが逆、とかもうミスに枚挙が無い。そしてああああもう、家事が全然すすんでないorz、もうめんどいから大人のご飯デリとか適当でいいや、みたいな。

じゃあなんで子ども産んだのって言われると、やっぱり本能的に子どもは欲しかったから。上に書いたような目にあっても、それでも子どもは可愛い、掛け値無しに可愛い。授乳をえへへって笑って待ってるのを見ると、ほんとに可愛い。そしてまだまだ大変なんですけど、毎日毎日こつこつお世話をしていると、少しずつ、玉ねぎの薄皮をむくように楽になっていくし、やはり人間がこつこつ成長することに携わる醍醐味というものがあります。醍醐ってのは、今で言うチーズのようなもののことですよ。チーズは臭いけど美味しい、大変だけど幸せ、といったところでしょうか。ある晩、子どもが寝ている時(1日断乳&搾乳して捨てるようにして、与える母乳にアルコールが入らないよう配慮した上で)、赤ワインをいただいたことがありますが、寝顔を見ながら、なんともいえない充足感を感じるというか、とても美味しかったです。

親戚をアップグレード

子どもが産まれて、「私をおばあちゃんにしてくれてありがとう」と言うようなことを自分の叔母と母から言われました。実の母はいいとして、ところで自分の叔母、実の母の妹って、自分の子どもから見るとなんでしょうね、やっぱりおばあちゃんでいいのでしょうか。ともかく、子どもって、自分の親戚の呼び方をアップグレードするんですね。

自分の両親はおばあちゃんとおじいちゃんに、弟がおじさんに、祖母がひいおばあちゃんに。アップグレードされた人々は、みんななんだかうれしそうです。

育児本

ネットの情報は重要度と信頼性がばらばら、取捨選択が面倒なので、とにかく調べたい時に育児本はやっぱり本で持っておくと便利。ということで、リファレンスとして持っている本2冊。

 

たまひよのムック本。カラーで掲載される写真も多く、わかりやすい。たまひよの本誌は、毎回レイアウトが変わってほぼ同じことを言うだけなので、本誌は付録や特集が目を惹いたとき、たまに買えば十分かなと。この本は、そのたまひよで毎回言ってる同じ要点を抽出して、ムック本としてまとめた本。個人的には、7章の「かかりやすい病気とホームケアのコツを知ろう」がよかったです。乳幼児はどうしても病気にかかりやすい、かかってしまうので。

 

定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕

定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕

著者の松田道雄氏をはてなキーワードで調べると、「1967年の『育児の百科』は、戦後生まれの親にとって、育児のバイブルとなった。」、という育児本のいわば古典。単純に語り口がなめらかで、読んでいておもしろいのと、初版は1967年と古いけど、ちゃんと最近の話題もアップデートされているのがポイント。(作って2時間以内の)冷めたミルクは電子レンジで温め直せばいい、など。ただ、「とにかくこうすべき」論も散見されるので、そこは適当にスルーすればいいんだけど、頭ごなしに言われるのが苦手な人、重箱の隅をつつきたい場合にはお勧めできないかも。